【小説・SS】チトセリウムへ至る道

その他

まえがき

*こちらはグッドスマイルカンパニーが発売するプラモデル”チトセリウム”を題材にした二次創作になります

*筆者が公式サイトの世界観設定に当てられて作ったものです、個人の解釈が含まれるのでご注意ください

*転載はお辞めください

 

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チトセリウムへ至る道

プロローグ

親父が突然失踪してから1年。

気持ちの整理がついた俺は親父の失踪理由を知るため親父の書斎へ入ることを決心した。

書斎には鍵が掛かっておらず、部屋の中は散らかっており、掃除もされていないためホコリっぽかった。

本や資料が山のようにあり壁の無数の本棚にも多くの本が収まり、入り切らない物は床や机に積まれていた。

親父は大学の考古学者だったらしく、研究に没頭していた。没頭するあまりお袋には愛想尽かされ出ていかれるほどには研究に熱中していた。

俺は親父がいなくなる朝、深く霧が立ち込める早朝、子供のように顔を輝かせながら家を出て行くのを今でも覚えている。

[少し家を空ける、家のことはよろしくな。では行くか]

そう言って親父は霧の中に消えて行った

俺はふと机の上に目がいった。机の上には親父が書いたであろうメモが置いてあった。

 

チトセリウムへの方法

フラグメント

フォルダ

デフラグし…

 

なんのことだろうか?

親父の失踪の理由がここにあるのだろうか?

 

1日目 机上のメモ

俺は机の上の親父の書いたメモを集めて読んでみることにした。

走り書きのメモや読めない文字、図など色々書いてあった。

親父が失踪した理由を知りたくて読み始めたがその内容を読んでいくうちに俺はその目を疑いだした。

それはこんなことが書かれていた…

学者の間で密かに研究されている太古の時代より存在するチトセリウムと呼ばれる世界が存在すること、そしてそこには真理が存在しえるといこと。

チトセリウムへ至るには”フォルダ”より”フラグメント”を”デフラグ”することで道が開ける

フォルダは存在する、あとは手順を踏むのみ

…なんなんだこれは…

意味がわからない…

しかし親父の失踪の真相を知るためにも、もう少し調べてみようと思った。

 

2日目 メモの謎

まずはチトセリウムという言葉について部屋にある資料から探してみることにした。

考古学の本や民俗学の本、民間伝承や伝説、色々な本や資料がある中、俺は数冊、数百冊と覗いていきチトセリウムという言葉を探した。

資料探しに飽きたころインターネットを使って探してもみたがそれらしいものは見つからなかった。

結局の所、親父の集めたであろう手書きの資料に頼りながら調べていくしかなかった。

しかしだんだんと分かってくるものがあった。

チトセリウムとはこの世界とは別の世界、空想の最果ての地にあるという世界。

ある学者はそこに夢を求め、ある者は永遠を求めて道を模索したようだ。精神世界と考えるべきか高次元世界と考えるべきか、俺の頭にあるファンタジー小説にあるような世界観では理解できないものだった。

親父はここに真理を求めたということなのか?

しかし別世界の話なんて眉唾物でしかない…

その日オレは夢をみた

誰かが語りかける夢だった

アナタは何を求めますか?

アナタは…

 

起きたあとはなんとなく頭に残っいたが、夢は醒めてしまえば朧げになり、どんな夢だったかわからなくなっていた。

 

5日目 チトセリウムとフラグメント

チトセリウムという言葉が漠然としながらも少し理解てきたが、他の単語も付随してわかったことがあった。

フラグメントだ。

フラグメントという言葉はチトセリウムを調べている時に何度も出て来たが、これはチトセリウムに存在する意思あるものを指しているようだった。

親父の集めた資料によるとフラグメントと接触する方法として、フォルダからデフラグするらしいが、チトセリウムに関する専門用語のようなもので何を意味するのかわからない。

また調べるしかないようだ…

 

10日目 フォルダの存在

フォルダにいつてわかった事がある。

これはチトセリウム側からのこの世界への接触した証のようなもので、資料のものが正しければ中世ヨーロッパですでに確認されていたようだった。

そして色々な時代、色々な場所でで同じようなものが発見されており、文献や言葉は違えど手のひらに収まるくらいの六角形の形で現れていることになっている。

そして思い出したことがある、俺はこれを見たことがある。

 

11日目 フォルダ

警察が見つけた親父の荷物を探した。その中にはフォルダらしき物が2個入っていた。

形は平たい六角形の形をしていた、しかし片方は貝のように半分に割れていた、中はなにか入っていたかのように伽藍洞としていた。

俺はもう一方を開けてみようと試みることにした。

 

13日目 啓示

フォルダを開けようと試みてはいるがビクともしない、ハンマーで叩こうがドリルで穴を開けようがまるで歯が立たない。

親父はどうやって開けたのだろうか、資料を読み直しても、開け方はどこにも見つからない。
疲れた…、今日はこのまま親父の書斎で寝ることにする。

その日また夢を見た

黄金を求める者よ、永遠求める者よ、彼の地への道を求道する者よ、あなたが欲するものあるならば

器を創造せよ

我らが宿る器を創造せよ

はっきりと聞こえた、そして起きてもなおはっきりと覚えている

今度の夢は消えなかった

 

14日目 進む道

その日は不思議な夢を見て目を覚ました。

内容を覚えている。器を創造せよと言っていた。

俺は昨日の作業の続きをするため机の上を見ると割れた六角柱が2つになっていたことに気づいて驚いた。

どういうことかはわからないが、昨日まで色々試して開かなかったフォルダが開いているのだ。

信じられない。

俺は恐る恐る中を確認した。

小さい破片のような物が無数に入っていた。

その中には人面のようなものもありゾッとした。

デフラグする。

次はこれの意味を調べる必要があるようだ。

 

18日目 デフラグの意味

デフラグする、また親父の資料を読み漁って意味を調べた。

デフラグするとはフラグメントのための人の形の器を作りだすこと。

フォルダに入っていた人面のような物はそのまま人の顔でいいようだった。

ここまで来たら進むしかない、俺はフォルダに入っていた破片から人型を組み上げることにした。

 

19日目 デフラグ作業

それは組み合わせるだけで形を成していった。

何も工具は使わず、道具はいらずそれはどんどん形を表していった。

手、足、胴体、頭、人の形に近づいていった。

不思議な感覚だった、身体がその組み立て方を覚えているかのようにパーツを組み合わせていった。

 

俺は休憩しようと立ち上がると

パキッ

 

脚の裏から音がした。

何か踏んでしまったようだ。嫌な予感を感じながら見てみると、

顔のパーツが割れていた。

これでは完成しないではないか…

 

また夢をみた

器を創造せよ、さすれば案内人とならん

三度目の日が登る霧の朝、太陽へと向かえ

 

20日目 刻限の啓示

その夢ははっきり覚えていた、3度目の日が登る霧の朝、太陽へ向かえ?

これはただの夢だったのだろうか、それともお告げなのか、どちらにしてもデフラグを成功させないことには関係ない。

しかし割れてしまった顔では完成しない、なぜかわかるのだ。

しかしどうしたものか…

顔に大きなヒビ、これではケガをしているみたいで痛々しい。

この子がかわいそうだ…

そうかケガなら直せば良いのか…

どちらにせよ3度目の日が登る朝が刻限なら、時間もう残り少ない。

急がなければ。

 

21日目 完成

2度目の日が昇り、そして沈み始めた。

応急手当のようだが顔を治すことが出来た、いや顔のように見えるようになった。

接着剤で割れたパーツを付け、しかしヒビのような見た目が痛々しかったので包帯で隠すことにした。

顔をはめてみる。

完成した。

痛々しくも見えるその顔だが、その全容から歴戦の戦士のような風貌にもみえる。

完成した疲労からか俺はそのまま寝てしまった、明日が三度目の日が昇る時だというのに

まだ謎はあるフラグメントをデフラグした器に宿す方法だ…

その夜

 

主よ、あなたが私を創造した主ですか?

主よ、起きてください

俺は目を覚ました、目の前についさっき完成させたフラグメントが話しかけてきている

俺はまだ夢を見ているのか

契約の準備は整いました

あなたがチトセリウムへの道を進む意志があるのなら手を差し伸べてください

主よ、決断の時です

俺は気がつくとフラグメントへ手を伸ばさてしていた

私の名はアマダス、カーボニア・アマダス

あなたの水先案内人となる者です

 

  約束の朝

早朝、霧が立ちこめている

一寸先も見えない濃い霧が街中を覆っていた。そして太陽だけが低くこちらを照らしていた

 

”主よ出発の時です”

”恐れることはありません、ただ真っ直ぐ光へ向かい進むだけです”

”まずは門番プラチナムに会いましょう”

 

わかった

俺はアマダスへそう答えた

まだ見ぬ何かが待っていると思うと興奮を隠しきれなかった

では行くか

 

END

 

あとがき

みなさんこんにちは、最後まて読んでいただきありがとうございます。

チトセリウムというプラモデルをご存知でしょうか?

グッドスマイルカンパニーから発売されているプラモデルなのですが、この公式サイトを覗くとなんと英語びっしり、設定部分も英語なので翻訳しないとわからず、しかし翻訳したところで掴みどころのない内容に驚いたのでした。

公式サイト↓

 http://www.chitocerium.com/

メーカーオリジナルのプラモデルに世界観が付いているのはまあまあある話なのですがここまで難解なのは見たことがなかったのでした。

難解すぎて自己解釈しようとした結果がこのssなのでありました。

一応これは私が考えるチトセリウムの世界なので公式の見解ではないことに注意して下さい。

 

以上、【SS】チトセリウムへ至る道 でした。

 

 

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